2010年12月23日木曜日

高配合化リサイクル食器のお披露目 エコプロダクツ2010

文部科学省・地域イノベーションクラスタープログラム(都市エリア型):環境調和型セラミックス新産業の創出事業の成果をひろく紹介するため、12月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクツ2010」に事業の推進母体である(財)岐阜県研究開発財団がブース出展しました。
成果のなかには、ファインセラミックスセンターの高温加熱水蒸気ヒーターや多治見市の赤外線反射タイルなどとともに、私たち岐阜県セラミックス研究所と複数のGL21参加企業が担当した「高配合化リサイクル食器」も出品されました。

リサイクル率を従来の20%から50%にアップした「高配合化リサイクル食器」については通常にくらべて100℃~200℃低温で焼くことができ、CO2排出量も17%から33%減らすことができます。かつ製品の強さも向上し、従来品にくらべて環境負荷を大幅に低減できる「低炭素&循環社会」に合致するあたらしい陶磁食器の誕生ともいえます。

会場で行ったアンケート調査では、およそ3割の人が既にリサイクル食器を知っていて、GL21の取り組みがひろく認知されてきたことを実感しました。
写真は、財団の担当者がサンプルの高配合化リサイクル食器を手にその優れた環境配慮を説明。アンケート回答者には50%配合の染付の和皿がプレゼントされました。
         投稿:岐阜県セラミックス研究所 立石





2010年12月19日日曜日

GL21の視察者

 今年ももう師走、あれやこれやといった用事が脳裏をかすめ、日々気忙しくお過ごしの方も多いと思います。Gl21にも、年の暮れ=年度の4分の3が過ぎようとしているこの時期、視察依頼が多くなってきました。12月に入り、学生さんの卒論の取材、各地で頑張っていただいているパートナーさんらの現場確認、これから不用食器回収をスタートされる市民団体の見学、また食器のリサイクルを映像化して地域に紹介するための撮影・・・などなどさまざまです。これからも長野県や奈良県などからバスや車でおいでになる予定です。

 今回は視察・見学に同行し、その中でピックアップしたいくつかの写真をご紹介したいと思います。

下の写真は、陶磁器・焼き物作る上で基本となる三原料。粘土はロクロや紐づくりなどで形を作る上で欠くことのできない可塑性原料。この蛙目粘土(がいろめねんど)は原土に多量の石英の粒がふくまれ、湿ると蛙の目のように光ることからつけられた名前。瀬戸珪砂(石英)はお隣の瀬戸地域で多量に産し、陶磁器の耐火度を高めたりボディーを丈夫にする働きがあります。次の長石は陶磁器の焼き締めるためにどうしても必要な原料で、焼き締めるためのガラス化を強力におしすすめてくれます。この基本三原料に食器の粉砕物が配合され「Re-食器」がつくられます。将来的には食器の粉砕物と若干の粘土だけで「Re-食器」をつくりたいものです。
この写真は、上の原料と食器粉砕物を水を加えて混ぜ合わせ、微粉砕したあとに余分な水分を搾りだしているフィルタープレス。まるで清酒を搾る要領と同じで、いわばフィルター内に残る酒粕が「Re-食器」の陶土(ハイ土)。
の写真は、上述の円盤状の陶土(ハイ土)を土練機(どれんき)で適度な硬さに練り込んだローラーマシン成形用(ロクロ)の棒状の土。これを数センチの厚みに切り、成形機に一つづつ投入され食器がカタチづくられます。

ローラーマシンの成形過程ででてくる余分な陶土や失敗品は再度土練機に戻され、「Re-食器」用陶土として蘇ります。この焼成前の土のリサイクルは古くから美濃焼産地で行われ、「Re-食器」に限ったものではありません。

下の写真は、美濃焼産地内の問屋さんのショールーム。この問屋さんが扱う「Re-食器」を数多くみることができ、実際にお値打ちに買うこともできます。写真にはOlivaやsaisei-001といった「Re-食器」がみえます。

ご見学希望の方は、GL21ホームページの「お問い合わせ」をご利用ください



2010年12月7日火曜日

多治見市の行政回収~その2~

多治見市の使用済み食器の行政回収は今日(12月7日)で2日目です。毎週火曜日は市役所で朝9時から12時までの3時間回収されます。半ば過ぎたころ市役所にでかけ、状況を視察してきました。

朝から今までに約35人の方が廃食器を持参され、すでに15のボックスが積まれていました(写真上)。中には、美濃焼の地らしく流通過程ででたものではと?思わせる品も。

持ち込まれる廃食器はほぼすべてが壊れていない食器です。どうやら、壊れたものは可燃ゴミ(多治見では)として出され、今回はリサイクルということで壊れていない食器を持参され、ゴミとしてではなく「家庭の不用食器」という認識のもとに持ち込まれたようです。でも回収品を受け入れるGL21の企業で粉砕されるという矛盾。ゴミと資源の意識上の区分・・・・面白いところです。

そして壊れていないということは、中にはリユースの要望もあるようです。「よい食器があったら使いたい」というニーズ、実際他地域での回収では多くがリユース品として利用されています。
美濃焼にとっても、新しい食器を作り売るだけではなく、そろそろ新しいビジネスモデルが必要になっているのかもしれません。

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【上と下の写真】
要らなくなった食器を持ち込まれた女性と親子。段ボールで持ち込まれる方、レジ袋で持参される方、マチマチですがいずれも大切に包み持ち込まれていました。
平日及び第3日曜日には、市のクリーンセンターなどで廃食器を受け入れています。
■お問い合わせ  多治見市役所 ☎0572-22-1111
           (環境課 内線1335)









2010年12月6日月曜日

美濃焼産地の多治見市で行政回収が始まりました。

GL21プロジェクトのおひざ元の美濃焼、その美濃焼のおひざ元の多治見市で、待ちに待った家庭の使用済み食器の行政回収がスタートしました。昨年12月に開催した「エコライフ・エコビジネスフォーラム」でパネラーとして参加した多治見市長が私たちに公約した「陶磁器製食器の回収」の実現です。

陶磁器のまちが、陶磁器を糧に歴史をつくり、文化と伝統をつくってきたまちが、食器の原料である陶土を大切にする姿勢を見せてほしいとGL21メンバーがずーっと願ってきました。

初日の12月1日は、市内3ケ所の公民館でスタート、回収時間は午前9時から正午までです。正午前に訪ねた一公民館の写真はご覧の通り、約50人が不用食器を持ち込み、回収ボックスのヤマ。市の担当の方も予想外の持ち込みに驚いておられました。用意したボックスの数では足らなく、追加をしたということです。これから順次、市内各所の回収が始まります。全域でどれぐらい集まるか楽しみです。

食器の回収&リサイクルに行政のみならず、市民も参加できるプランをこれから考え、提案し、多治見のサステナブルなまちづくりに食器リサイクルで貢献したいものです。

多治見市と書かれたBOXにほぼ満杯に入れられた不用食器。今後、回収にだされた市民の方のお考えの聞き取りが大切だと考えています。

回収品に混入してきた回収対象外品。汚れた食器、陶磁器以外の素材のガラス食器、同じ陶磁器であっても食器以外のもの・・・など、これから分別の周知が必要になります。でも、初回としては上々の出来だと思います。

多治見市のHP http://www.city.tajimi.gifu.jp/